RBTS

Reproductive Biology Tokyo Symposium 生殖バイオロジー東京シンポジウム

ごあいさつ

この度、生殖バイオロジー東京シンポジウムの組織が改変され、従来の世話人制から理事会制に改められました。言うまでもなく、本研究会は故東條龍太郎先生が発起人となって鈴木秋悦先生の教えを実践するために創設されました。会の発足以来、鈴木先生が会長としてすべてのプログラムの立案、そして講演者の選定を行ってこられました。そのため、演題のクオリティが高く本会には熱烈な多くのファンが存在します。東條龍太郎先生、そして鈴木秋悦先生と相次いで偉大な指導者を失ったことは痛恨の極みでありました。しかし、弟子として「秋悦イズム」の本拠地である本会を消滅させるわけにはいかず、今後も継続させる決意をし、組織改変を行わせて頂きました。
さて、では「秋悦イズム」とはどういう考え方でしょうか。秋悦先生は常日頃から「自分の源は北海道の鮭の産卵にある」と仰っておられました。そういう若い頃のピュアな体験が臨床医でありながら基礎生物学を愛された原点であったと思われます。そこで、本会の根本として「基礎医学に裏付けられた臨床医学を追求する」ことが鈴木先生のご遺志を継ぐことになると考えております。今後も引き続きこの基本にのっとって、良質な基礎医学と臨床医学の両方の情報をご提供するように努めて参りたいと存じます。また、秋悦先生は、学会での上下関係や、学閥など一切関係なく、別け隔てなく私達を指導されました。社会的制約に囚われることのない自由闊達な意見交換の場にすることがもう一つの本会の特徴だと思います。
私は東條先生のご指導を得ながら鈴木先生を補佐する副代表を努めさせて頂いておりましたが、この度理事長の任をお引き受けすることになりました。何分浅学非才の身でもあり偉大な秋悦先生の跡を継ぎ、十分な任務の遂行ができるかは不安な部分もあります。しかしながら、新たに副理事長として選任された菅原延夫先生、古井憲司先生、そして理事の先生方とともに、秋悦先生の遺された大きな遺産を全力でお守りしたいと思いますので、会員の皆様におかれましては、ご指導とご支援をお願い申し上げます。

2022年6月27日
生殖バイオロジー東京シンポジウム理事長 森本 義晴

学術集会予告

第23回 生殖バイオロジー
東京シンポジウム

ご挨拶

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、第23回生殖バイオロジー東京シンポジウムの大会長にご指名頂きましたIVF大阪クリニックの福田愛作です。私は生殖バイオロジー東京シンポジウムの創設者である鈴木秋悦先生とは、日本臨床エンブリオロジスト学会の顧問としての職を通じて長いお付き合いがありました。2023年の胚培養士資格の歴史的な統一の翌年の大会に、大会長の御指名を受けたことは胚培養士育成に尽力された秋悦先生の天からの声の後押しがあったものと確信しております。
ステップトー博士とエドワーズ博士による体外受精は1978年7月25日に世界で初めての試験管ベビーの誕生によりその技術が実を結んだ。日本では1983年に東北大学で第1号が誕生し、日本の体外受精は、本年、2023年で満40年を迎えた。人生において40歳は不惑と呼ばれ「次に向かって方向を定め、迷わずに進むべし」と言われる。2024年は41年目に入る日本の体外受精はまさにその時を迎えてようとしている。
体外受精の起源を振り返ると、この技術の礎を築いたのはエドワーズ博士とその助手であった胚培養士の元祖パーディ女史である。腹腔鏡の名手、ステップトー博士は医師であったが、この二人は医師ではなかった。すなわち体外受精の基礎は生物学者(胚培養士)により開発されたと言える。にもかかわらず、日本では未だ胚培養士の地位が確立されていない。厚労省の生殖医療の実施要項においても、生殖補助医療の核心を担う胚培養士については「配偶子・胚の管理に係る責任者」としか記載されておらず、胚培養士という名称は使われていない。
日本の体外受精成功から40年、生殖補助医療について原点に返り考えてみる時期に来ていると思っている。そこで第23回の本会のテーマを「生殖補助医療の原点に戻って」と題し、生殖補助医療の原点である生殖生物学について、着床前受精卵診断について、不妊症に深く関連する臨床病態と生殖補助医療とのかかわりについて、また不妊症の原因となる遺伝的要因について、秋悦先生が力を尽くされた胚培養士の資格に関する話題、更には生殖補助医療により生まれた子供たちの未来など、包括的に論じてみたい。
生殖医療に携わる医師のみならず、生殖医学生物学の研究者、胚培養士、生殖医療看護師や生殖補助医療にかかわるすべての分野の方々の参加と熱い討論をお待ちしております。

IVF大阪クリニック
院長 福田愛作

日 程
2024年9月8日(日)8:50~16:30
会 場
ホテル ヒルトン大阪

〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目8-8

共 催
日本臨床エンブリオロジスト学会
大会長
福田愛作(IVF大阪クリニック院長 / 医療法人 三慧会 副理事長)
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