
第23回 生殖バイオロジー
東京シンポジウム
ご挨拶
第23回生殖バイオロジー東京シンポジウムの大会長にご指名頂きましたIVF大阪クリニックの福田愛作です。突然のご指名に大変驚くとともに名誉に感じております。私は生殖バイオロジー東京シンポジウムの創設者である鈴木秋悦先生とは、日本臨床エンブリオロジスト学会の顧問としての職を通じて長いお付き合いがありました。2023年の胚培養士資格の歴史的な統一の翌年の大会に、大会長の御指名を受けたことは胚培養士育成に尽力された秋悦先生の天からの声の後押しがあったものと確信しております。
ステップトー博士とエドワーズ博士による体外受精は1978年 7 月25日に世界で初めての試験管ベビーの誕生によりその技術が実を結んだ。日本では1983年に東北大学で第 1 号が誕生し、日本の体外受精は、本年、2023年で満40年を迎えた。人生において40歳は不惑と呼ばれ「次に向かって方向を定め、迷わずに進むべし」と言われる。2024年は41年目に入る日本の体外受精はまさにその時を迎えてようとしている。
体外受精の起源を振り返ると、この技術の礎を築いたのはエドワーズ博士とその助手であった胚培養士の元祖パーディ女史である。腹腔鏡の名手、ステップトー博士は医師であったが、この二人は医師ではなかった。すなわち体外受精の基礎は生物学者(胚培養士)により開発されたと言える。にもかかわらず、日本では未だ胚培養士の地位が確立されていない。厚労省の生殖医療の実施要項においても、生殖補助医療の核心を担う胚培養士については「配偶子・胚の管理に係る責任者」としか記載されておらず、胚培養士という名称は使われていない。
日本の体外受精成功から40年、生殖補助医療について原点に返り考えてみる時期に来ている補助医療の原点である生殖生物学について、着床前受精卵診断について、不妊症に深く関連する臨床病態と生殖補助医療とのかかわりについて、また不妊症の原因となる遺伝的要因について、秋悦先生が力を尽くされた胚培養士の資格に関する話題、更には生殖補助医療により生まれた子供たちの未来など、包括的に論じてみたい。
生殖医療に携わる医師のみならず、生殖医学生物学の研究者、胚培養士、生殖医療看護師や生殖補助医療にかかわるすべての分野の方々の参加と熱い討論をお待ちしております。
IVF大阪クリニック
院長 福田愛作
- 日 程
- 2024年9月8日(日)8:50~16:30
- 会 場
- ホテル ヒルトン - 大阪
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目8-8
- 共 催
- 日本臨床エンブリオロジスト学会
- 大会長
- 福田愛作(IVF大阪クリニック院長 / 医療法人 三慧会 副理事長)